約二ヵ月後に迫った米大統領選挙だが、民主党大統領候補に指名されることが確定的なオバマの勢いに翳りが出てきているそうだ。その背景には勿論、熾烈を極めた民主党の大統領候補予備選挙があるわけだが、米共和党がヒラリー=クリントン支持者の取り込みを画策していることが一つの要因だ。
ヒラリー=クリントン自身はオバマ支持を表明し、オバマの下での民主党の団結を訴えてはいるが、ヒラリー=クリントンの支持者の反オバマは根強い。その為、予備選挙でオバマが勝った場合、共和党大統領候補のマケインに負ける可能性が出てくるために、オバマが暗殺されるのでは、との憶測まで飛んだほどだ。
現に、今日始まった民主党全国党大会の支持者の様子は、ヒラリー=クリントン支持者の方が精力的だ。反オバマを利用して共和党が民主党ヒラリー=クリントン支持者の取り込みをTVCMなどを駆使して行っているためか、マケインに対して大きく差をつけていたオバマのリードはどのメディアの世論調査を見ても誤差の範囲に収まるようになってきている。
さて、その中である米白人女性のインタヴューが報道されていた。その内容とはこうだ。
「人種に対する差別の根強い米国人は黒人を大統領に選出することに抵抗を感じている。だから、オバマに投票しない理由を探しているのだ」
日本から見た場合、同盟国に対して極めて厳しい外交姿勢を取る傾向の強い民主党よりも、親日的な共和党に政権を取ってもらった方が都合が良いのは事実だ。現に予備選の段階で既に、ヒラリー=クリントンもオバマも、「米国にとって最も大切なパートナーは中国である」と発言している。しかしながら、黒人であることだけを理由に共和党マケインが大統領になるくらいならば、米国初の黒人大統領となるオバマに勝ってもらいたい、と私は願うのだ。